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概要

■日時   : 平成19年3月26日(月)

■目的   : 廃線直前のくりはら田園鉄道に乗車

■行程 : 3/25 東京駅八重洲通り - (夜行高速バス) -

       3/26 仙台 - 沢辺 - 細倉 - 若柳 - 石越 - 仙台

       3/27 仙台 - 湯元 - 石岡 - 常陸小川 - 鉾田 - 石岡

■関連企画 : 鹿島鉄道 乗車記録

※ 掲載内容は、特に記載の無い限り企画実行当日のものです

 

 

行程メモ

 

朝の仙台駅前 (午前5時40分頃)

 

今回は、平成19年3月31日で廃線が決まった

くりはら田園鉄道と鹿島鉄道に最初で最後の乗車をすべく、

急遽企画した強行プランで現場へ向かうことにした。 

 

廃線直前になると、誰しも同じ事を考えるもので、

乗車率は都心の満員電車以上になるもの。

そのことを踏まえて、平日に訪れてみることにした。

 

企画の最初は、拠点から仙台への移動。

新幹線を利用すれば早いのは分かっているが、

如何せんセレブが利用する乗り物。

ウチのような貧乏人は乗ることもままならず、

やっとこさ支払える輸送機関である高速バスを選択。

 

仙台行きの高速バスは、何社かある様だが、

今回は、東北急行バスが運行するニュースター号に乗車。

始点は、東京駅八重洲口前の八重洲通りにある

高速バス乗り場から。現地到着の時間関係で夜行を選択。

 

バスは、格安路線だけあり4列シート車。

以前乗車した富山への夜行同様、夜の長距離を4列シートで

過ごすのはやはりキツイものがあった。

 

東日本急行バス 沢辺駅前にて

 

仙台へは、早朝5時頃に到着。まだ夜も明けきらずに暗い。

体が痛い。到着が早すぎる。何よりも3月の東北早朝は寒い。

予想外に寒く、体の震えが止まらないので駅構内へ移動。

早朝にもかかわらず営業していたマックがあったので入店。

暖かいコーヒーとかなり甘いパンケーキっぽいものを食して

体調を整える。

 

震えも止まったところで、仙台から次の行程まで約1時間半の

待ちがあったため、保存車企画を実施。

殆ど人の歩いていない仙台の街を約30分程歩いて

西公園へ到着。ここには国鉄蒸気機関車 C60 1号機 が

静態保存されている。

 

C60と対面後、仙台駅に急いで戻る。

次は、仙台駅西口バスプールより東日本急行バスの

高速バスに乗車して沢辺へ向かう。

 

くりはら田園鉄道 沢辺駅舎

 

初めて乗車する鉄道路線とは違い、

初めて乗車するバス路線は、行き先は本当に合っているか

いつでも不安が付きまとう。

 

今回乗車した東日本急行バスの高速バス路線である

仙台駅前 - 栗原市金成庁舎前線も、高速を下りてしまえば、

開けた田圃の中を走り、はたまたバスが走るとは思えない

細い道を通ったりと、不安要素満載の路線だった。

 

とりあえず無事にくりはら田園鉄道沢辺駅前に到着。

沢辺駅は、典型的とも言える田舎風木造駅舎。

佇まいには味が滲み出ている。

ちなみにくりはら田園鉄道、略称は「くりでん」と呼ばれる。

  

平日にもかかわらず、駅舎内外には乗車待ちをしている方々が

結構待っていてびっくりした。

 

くりはら田園鉄道 細倉マインパーク前駅舎

 

沢辺駅は、くりでんでは数少ない有人駅で、

また交換設備を備えていた。

 

沢辺駅を08:54発の細倉マインパーク行き列車に乗車。

乗車車両は、1両運行のKD952号機 くりでんOH!バンデス号。

既に多くの乗客で着席は不可能。

幸いにも最後方運転席横の位置を確保できたので、

車中は車掌の気分で過ぎゆく駅を見送る。 

 

乗車すること約30分で細倉マインパーク前駅に到着。

駅は斜面に建てられ、ホームは駅舎より低い位置にある。

駅舎は、平凡な平屋建て駅舎の中央に直角となる様に

鋭い三角形の屋根が組まれている感じの独特な形状。

 

駅周辺は車寄せが整備されているが、お店は食堂と思われる

建家以外特に見当たらない。当日は、廃線景気で人出はあった

が、普段はきっと寂しい状況だったのだろうと想像される。

 

西島鉱南口門と守衛室のセット

(細倉鉱山 旧佐野社宅前)

  

先に寂しいと書いたが、

かつては人口1万3千 を越える鉱山町として栄えていた様だ。

しかし例に漏れず御時世と共に衰退して現在に至る。

 

駅周辺では、細倉金属鉱業が現在も事業を行っており、

近代産業遺産に認定されている。

鉱山遺構は各所に点在している模様で、駅から徒歩10分程度

の場所に細倉金属鉱業の旧佐野社宅が残っている。

ここは、映画の撮影場所になったらしく、当時の社宅と後から

作った映画セットが残っており、現在は一般公開されている。

 

佐野社宅跡を見学後、約15分程度歩いて細倉鉱山資料館を

訪問。資料館を訪れる道沿いには、細倉鉱山の山肌や工場が

広がる。資料館では、細倉鉱山の歴史や鉱山重機などが展示

されている。中でも鉱物展示は多くとても綺麗だ。

 

資料館見学後は、約30分程度歩いて駅名ともなっている

細倉マインパークを訪れてみる。しかし、前に訪れた施設で

だいぶ時間を取られてしまい、マインパークに来ながら施設に

入る時間もなく撤収。駅に取って返す。

 

くりはら田園鉄道 本社社屋

 

細倉マインパーク駅に戻る。

次の列車までの時間を利用して、石越側へ少し行ったところに

残っている旧「石越駅」のホームを見学。

また、細倉マインパーク駅の傍にある保線小屋も訪れる。

 

細倉マインパーク駅 12:12発の列車に乗車。

KD951,953号車による2連運転。それでも車内は満員。

約50分程揺られて若柳駅へ移動。

 

若柳駅は、くりでんの中枢部であり、本社や車両基地がある。

駅舎は、沢辺駅と似たり寄ったりの木造。

駅構内には車両基地があり、くりでんが電気鉄道だった頃の

車両が留置(放置?)されているので見学。

 

また、駅近くの本社2階には、くりでん約90年の歴史を物語る

資料を展示した資料室として開放されていたので訪れる。

 

くりはら田園鉄道 石越駅舎

  

若柳駅 13:59 発の列車に乗車して終点の石越へ移動予定

だったが、途中、お客様混雑の影響を受けて、列車はかなり

遅れ気味。 普段からこの状況であれば廃線にはならなかった

だろうが、現実問題、地方鉄道で終日激混みするのは

廃線前のみ。厳しい地方の現状がそこから伺える。

 

石越駅へは、予定より遅れての到着。時刻はまもなく15時。

ホームには、既に多くの乗車待ちの方々でごった返していた。

居場所がないので、駅を出て周辺を探索してみる。

小さな駅前広場を挟んで向かい側にJR石越駅。

周辺は商店や住宅があるが、ひっそりしている。

 

列車が出発して駅周辺が落ち着いた所で、石越駅を見学。

石越駅はくりでんの始点駅となっていた。

駅舎は、木造平屋だが独特の造りで、線路正面に構える形で

建っている。

 

石越駅を見学後、くりでんで走っていたED201,M152,C152が

静態保存されているチャチャワールドいしこしを訪れる。

石越駅からは、徒歩で片道30分程度。途中は車が多く走る

割には歩道もない様な道を進む。勾配もあり大変だ。

企画も急ごしらえだったのでバス路線探索まで気が回らず

徒歩となった。

 

チャチャワールドいしこしは、お子様向けアスレチック遊技施設

の様なもので、男1人で訪れると不審者として扱われる。

薄々そんな感じと思い、受付の方に要件を告げると、

なんと無料で園内に入れてくれた。感謝。

無事に保存車達と対面を果たし、石越駅に戻る。

 

17時頃に石越駅に戻り、くりでん側の様子を伺うと、

未だにお客さんが結構いる。平日なのに凄い。

 

くりでん石越駅構内 0キロポストとホームと車両

 

JR東北本線に乗車するまで、時間が若干あったので、

最後にくりでん石越駅構内を 一廻り。

 

1面1線のホームに1両の気動車。

まさにローカル線の哀愁が漂う。

 

くりでんも経緯はともあれ、日本が抱える地方過疎化や

車社会の影響を受けてしまった典型例だろう。

ウチ個人の力では何も出来ないが、気持ちは鉄道存続で

何とかしたいとの思いがこみ上げる。

今回は、残念ながら廃止になってしまったが、いつの日か

再び鉄道線が復活することを望むばかりだ。

 

くりでん乗車企画の翌日は、鹿島鉄道乗車企画を計画。

宮城県と茨城県で距離が結構離れているので、当日中に

中継都市となる仙台に移動して休むことにする。

 

JR石越駅より東北本線の普通列車に30分程度揺られ、

JR小牛田駅へ。小牛田駅より徒歩15分程度の所にある

素山球場にて国鉄C11 367号機と対面。

その後、小牛田駅に戻り、再び普通列車で仙台へ。

続きは、鹿島鉄道乗車記録編へ。

 

  

 

タイムテーブル

場所 備考
拠点   22:30(頃)   
東京駅前八重洲通り 23:20(頃) 23:40 東北急行バス 仙台線☆ニュースター号 \3,900
仙台駅前 5:00(頃) 5:40 寒くて震え止まらず。駅構内のマックで休息。
西公園 6:10 6:25 C60 1号機の対面
仙台駅西口バスプール 6:55 7:00 東日本急行バス 仙台駅前 - 栗原市金成庁舎前線 \1,800
沢辺駅 8:30(頃) 8:54 沢辺 - 細倉マインパーク間 \850
細倉マインパーク駅 9:23 9:45 駅前にED202号機が静態保存されている
旧佐野社宅 9:55 10:10 佐野住宅跡を利用したロケセットを見学
細倉鉱山資料館 10:25 11:10 入館料 \300
細倉マインパーク 11:35 11:40 時間の都合で入園はせず
旧細倉駅跡 11:55 12:00  
細倉マインパーク駅 12:05 12:12 細倉マインパーク - 若柳間 \990
若柳駅 13:10(頃) 14:30(頃) 駅構内、本社資料室を訪問
石越駅 14:40(頃) 15:10(頃) 若柳 - 石越間 \250
チャチャワールドいしこし 15:40 16:10 静態保存のくりでんED201,M152,C152と対面
石越駅 16:45 17:10(頃) 石越 - 小牛田 \480
小牛田駅 17:40(頃) 17:45(頃)  
素山球場 18:00 18:05 C11 367号機と対面
小牛田駅 18:20 18:25(頃) 小牛田 - 仙台 \740
仙台駅 19:20(頃)   仙台宿泊、宿賃 \4,700
      翌日の行程は、鹿島鉄道乗車記録編へ

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